2014年7月29日火曜日

枝豆、好きなんですか?

ここのところ、
夕方になると蚊取り線香を点けます。
蚊取り線香の香りに、
「夏なんだなぁ」としみじみ感じられます。

ブタさんの入れ物は~なんと風情のあるものでしょうか。(笑)


夏と言えば「ビール」。
そのビールのおつまみと言えば「枝豆」を連想いたします。

先日、
檀家さんが数人集まっていたとき、
農家のおばあさまから枝豆をたくさん頂戴いたしました。

枝のままでしたがちゃんと葉っぱがとってあり、
お豆をとりやすくしてくれてあったことに感謝。

住職の奥様は、
「木蘭さん♪また枝豆がたくさん来ましたね~」と意味深な発言。

実はそれは私のお仕事。(笑)

住職夫人のその口調から、
何も知らない方々にも「あとで枝豆とりしてくださいよ」という意味が分かり、
みな一様に笑いだしていました。

そこに大学二年生の女の子がいました。
お勝手仕事を手伝いながら私と住職夫人との話を聞いていましたが、

ちらと私を見ながら、
「枝豆、好きなんですか?」と聞いてきました。

「枝豆おいしいわよね」と慌てて答えたところ、

ニコッと笑いながら、
「食べ始めると止まりません」


私たちは年齢を重ねるごとに、
いつしか純粋だった心をどこかに忘れてしまうものなのだなぁと、
この娘を見てつくづく思いました。

いつしか人の言葉の裏側を考えるようになり、
それが当たり前の生活になっている・・・。


彼女の純粋な質問にとまどってしまった自分が、
なんだか恥ずかしくなりました。

できるなら彼女には、
今のままの心とそのくったくのない笑顔をたもち続けてほしいと、
せつに願っています。












2014年7月21日月曜日

人は弱い動物

 
夕べ、突然の来訪客が。
毎年夏になるとやってきます。
 
 

立派な鋏をもったクワガタくん。
明るいところに連れてこられて、
私の指にしがみついて困っていました。(笑)
もちろんすぐにお帰り願いましたが。(^^)

 
 
先日、手に怪我をしました。
犬小屋の針金にちょっとひっかけただけで3センチくらいの傷になり血が滴り落ちました

軍手でもしていたらこうした怪我も防げたかもしれませんが、
人の身体はなんて弱いものなのだろうとつくづく思いました。

 
人類はその歴史の中で必要と思われるものを次々と作っていきました。

「人間は頭がいいから」と言われますが、
しかし裏を返せば「人間は弱い動物。だから道具や洋服が必要になった」と思うのは私だけでしょうか。

人間が裸で暮らし、道具を持たないでいたとして、
そこに一匹のスズメバチがやってきた時、
刺されるのを防ぐためにはその場から逃げるしか方法がありません。
毒針を持った毛虫でも同じように、
服も道具も持たない人間はたった5㎝ほどの虫になすすべもないのです。
 
人は弱いからこそお互いに支えあい、
寄り添いあって暮らしていくものなのではないでしょうか。
 
現代はそんな大切なことさえ忘れているように思います。
 
自分一人では生きていくことはできない。
食べ物も洋服も、
作ってくれる人がなければ手にいれることはできません。
たくさんの人たちがつながりがあって、
私たちは生きることができるのです。
 
それを「一切衆生の恩」といいます。
仏教で説かれる「ことに感謝すべき四恩」の中の一つです。
父母の恩、国の恩、三宝の恩、そして一切衆生の恩。
 
いろいろなことに感謝しあって生きることこそ、
「人間らしい」生活のあり方なのだと、
私は思います。
 
 

 

2014年7月15日火曜日

お盆

控え目だった蝉が、
いつしかやかましいほど鳴くようになって参りました。

「七年も土の中にいたんだもの。
一週間くらいがまんしなさいよ」

そんな蝉の声も聞こえてきそうなので、
皆さんも一緒に我慢いたしましょ。(笑)


今日は盂蘭盆の法要がありました。
八月のところが多いのですが、
私どもの寺院では七月に行います。

キュウリの馬とナスの牛。(※住職夫人作)

早馬に乗ってきて、
ウシでゆっくり帰ってもらう。

精霊に対する切ないまでの深い思いが感じられます。

でもうちの場合、
「みんなせっかちだったから、馬だけでいいんじゃない?」
「そーだね~。ならバイク、いや。ポルシェかなんかのミニカーおいとこうか」

ですって。(笑)


お盆の由来はお釈迦様ご在世当時にさかのぼります。

十大弟子のおひとり、
神通第一と称された目連尊者がある日、
亡くなったお母様はいったいどこにおられるのだろうと
通力を使って探しました。

するとあろうことか餓鬼界に堕ちてしまっていたのです。

がりがりにやせ細り、手足はまるで針のよう。
お腹だけぷっくりと膨らんでいます。

お母様は「青提女」(しょうだいにょ)と言います。

青提女は自分を見る目連尊者を見つけ、
手を差しべて必死に食べ物を乞うのです。
目連尊者はすぐに通力をもって母のもとに食べ物を差し出しました。

青提女はすぐさまその食べ物を口の中に入れ込みました。

するとどうしたことでしょう。
食べ物はたちまちのうちに火になり、
青提女の体を燃やしはじめてしまったのです。

目連尊者はあわてて通力で水をかけましたが、
それが薪をくべてしまったようにますます火が盛んになってしまったのです。


自分の力では及ばないことを知った目連尊者はお釈迦様のもとに走り、
どうしたらよいのでしょうかと泣きながら相談致しました。

お釈迦様は、
「お前の母親は生前、物がありながら物惜しみをして人に施さなかった。
その『慳貪罪(けんどんざい)』により餓鬼界に堕ちてしまったのだ。
夏安居(げあんご・個々に活動していた僧侶たちが、雨期の一定期間、一カ所に集まって集団で修行する)が終わり、戻ってきた僧たちに多くの供物を捧げて供養すれば、餓鬼界の苦しみから逃れることができるであろう」
と仰せになりました。

目連尊者はお釈迦様の言うとおりに行ったことで、
母親を餓鬼界の苦しみから助けることができました、というお話です。



明日の夕方は送り火を焚いて精霊をお送り致します。

やっぱりナスの牛さんで帰って頂きたいな。

また来年、
早馬で帰ってきて下さいね。














2014年7月11日金曜日

歌の力

覚悟していた台風も、
こちらに回ってくる頃にはおとなしくなっていた様子。

千葉では被害はなかったようですが、
各地で大きな爪跡を残してしまいました。

被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
一日でも早く復興されますようにとお祈り申し上げております。


たいそう蒸し暑い一日でした。
ここのところ微熱(といっても6度8分くらいです)が続き、
気温の高さも相俟ってなんだか体がだるくていけません。

なんとか一日を過ごし、ようやくお風呂タイム。

うちのお風呂は少し大きめにできています。
ふだんは少人数なので、
ひとりゆるりと至福の時間を過ごします。

ひとりぼーっとして(いつものことですが)、
今日ふと頭をよぎったのが大好きなさだまさしさんの歌詞でした。

片思いの人に好きな人がいることが何気ないしぐさでわかった一人の女性。

「風はいま向かい風。私の心を押し戻す」

「もしもあなたが赤い夕陽で、私が雲なら染まるだけでいい。 そんな恋もあることわかった」(ここの詩がとても好きです)

「幸せのかたちくらい私に決めさせて」


「向かい風」という歌なのですが、
なにゆえこの歌詞が頭をよぎったのか自分でもよくわかりません。(笑)

でも何かほんのりとした温かな心持になりました。
さださんの歌詞には人の心を動かす力があると思います。

私も人の心に、
ほんの少しでも残るものを書いてみたいな・・・。

なかなか難しいものだとはわかっていますので、
とりあえず自分の能力に見合った形にしておきます。(笑)




さださんの歌は音域の幅がありすぎて、自分が歌うにはとても難しい。
名曲が、名曲でなくなってしまうので(笑)

今夜は久しぶりにさださんを聞こうかしら。














2014年7月8日火曜日

嵐の前の静かな日

沖縄では大変な暴風雨となっているというのに、
こちら千葉県北東部は穏やかな晴天でした。

夕方は堂内の窓を開け、
風を入れながらお勤めをしました。

時折、ウグイスや雀のさえずり、
木々のざわめきなどが聞こえます。

自然の音の中で読経をしていると、
自分までが融和され、その中に溶け込んでいってしまいそう・・・。

臨終は読経の中、
もしくは自然の音の中で迎えられたらいいなぁ・・・

なんて思っていたら~お勤めが終わってしまいました。(笑)


穏やかなお天気も明日まで。

台風はこちらにも向かってくるようです。

明日は周りの片づけをしないといけません。

合羽と長靴も用意して~何かあれば台風の中でも外に出られるように。

みなさまもどうぞお気を付けになってお過ごしくださいね。