たんぼの稲苗は、
さわやかな風に心地よさげに揺らいでいます。
トンボを見かけるようになり、
スズメもツバメも子育てに大忙しです。
つい先日の朝、
境内にある池に、黄色と茶色のまざったまぁるい玉のようなものがいくつも見えました。
「え?なんだろう・・・」と近づいてみますと、
なんとカルガモのひなたち。
十羽もいました。
ずっとここに住んでいますが、
池にカルガモがやってきたのは初めて。
寺院ではシェパードを飼っていて、
外に出ないようにしてありますが、
一晩中放しています。
「この親子たちは、いったいどこから入ってきたのだろう」とみんな驚きました。
大型犬ですから、
追われたり、ちょっとぶつかっただけでもひなたちは死んでしまうでしょう。
「蛇だっているし。これからどうなるのか・・・」
癒される姿を見られてうれしい反面、
犬やら蛇やらにやられはしないかと、はらはらしっぱなしでした。
よく朝、池を見たらひなたちはみんな無事。
池によく入るシェパードが気づかないはずもなかったのですが、
ほっと胸をなでおろしました。
でも、それからが大変。
その朝にお母さんカモはほかの場所に移動するつもりなのに、
コガモたちがお母さんについていけません。
六羽はなんとかお母さんについていきましたが、
あとの四羽はついていけず、池の周りでピヨピヨ、ピヨピヨ。
お母さんカモは上のほうで、ぐわっぐわっと子供たちを呼んでいるし。
四羽は上に通じる階段を行ったり来たり。
また池に戻ってはピヨピヨとお母さんを呼ぶ。
あまり子供たちがついてこないと、
あきらめて行ってしまうという話も聞いています。
「もしこの四羽が置き去りにされたらどうしよう・・・」
という不安がよぎりました。
どれくらい時間が経ったでしょうか、
ようやく残された四羽もお母さんと合流。
カモたちが外に出られるように、裏門を開け放し、
それでもなかなか出ていかずやきもきしましたが、
なんとか、田んぼ方面に歩いていきました。
お母さんカモを先頭に、
十羽が一列に並んで歩く姿は、まことにほほえましいものでした。
カモたちが去った池は、前の通りになったのに、
少し寂しく感じて・・・。
昼休み。
シェパードの自主散歩の時間なので放したら池にまっしぐら。
そして近くまで行くとそろそろと近づき、
そおっと池をのぞき込みました。
やっぱりカモたちがいたのはわかっていたのでしょう。
でも見るだけで、まったく構うことをしなかったんだなぁと。
ちょっとほめてあげたくなって、
何度も何度も、頭を撫でてやりました。