2013年12月2日月曜日

木端の思い出


枯葉と格闘の毎日です。(笑)

風の無い日はよいのですが、
掃いても掃いても、ざぁっと風が吹くとあっという間に枯葉の山。

まぁ、この季節はいつものことですからしかたありません。(^_^;)

集めた枯葉は、焼却炉で燃やします。
そこで口をついて出る曲は~

垣根の垣根の曲がり角~たき火だ、たき火だ落ち葉焚き
あーたろうか、あたろうよ~北風ぴーぷー吹いている♪

・・・北風がぴーぷー吹いている時に、落ち葉焚きをしてはいかんでしょ・・・
そんな独り言をいいながら。(笑)


お風呂を薪で燃す時も、
今の乾燥した季節は枯葉と同じようによく燃えます。

大工さんが木端を持ってきてくれることもあるので、
釜にその木端を放りこんでいた時、
ふとあることを思い出しました。


それは私がまだOLだった30年も昔の頃。

ある日電話をするため、会社の一番近くにあった電話ボックスに入りました。

当時は携帯電話なぞありませんでしたから。(^_^;)

電話をしながらふと下をみますと、
水色大きな封筒が置いてあります。

封はしておらず、中を見ると木端がひとつ入っていました。

「なんだろう、この木端は・・・(・・;)」

その封筒にはある貿易会社のネームと住所が印字されていました。

会社からすぐ近くです。

私は要る物か要らない物かはわからないけれど、
躊躇しながらも一応その会社に持っていくことにしました。

昭和通りを渡り、その貿易会社はすぐ見つかりました。


事情を説明し、ふうとうを渡すと受付の女性にお礼を言われ、名前と住所を聞かれました。

(こんな木端ひとつを届けただけ。たいした事してないのに・・・。)

私はなんだか自分が恥ずかしくてたまらない気持ちでいましたので、
「いえ、いいです」と言って自分の会社に戻ろうしましたが、
受付の女性はそんな私を強く引き留めました。

私はしぶしぶ自分の名前と会社名を告げ、
足早に会社にもどったのです。


それから数日後。

ある一人の男性が総務課にこられました。(私、総務課でしたので。(^▽^;))

するとその人は私の名字を告げ「おられますか」と尋ねられました。

「はい。私ですが」とお答えしますと、その男性は、

「あの電話ボックスの忘れ物は、ボクだったんです」と恥ずかしそうに話始めたのです。

「ほんとうに助かりました。あれは国内でもいくつもないサンプルだったのです。
無くしていたら大変なことになっていました」と。

私にとってみれば、ただの木端にしか見えない代物でしたが、
その男性にとってみれは、貴重なサンプル。

同じ物を見ても、
人によってその「価値観」は違うものなんだなぁと、なんだか不思議に思ったできごとでした。


お礼にと置いていって下ったトップスのケーキの味は、
やっぱりなんだか気恥ずかしかったせいでしょうか、
少しばかり「ほろ苦く」感じられました。















2 件のコメント:

  1. 木蘭様
    仕事が一段落してようやく羽を休めているしまふくろうでございます。

    トップスのチョコレートケーキはうまいですよね。
    なかなか気の利いた人ではないですか。

    助平なボクだったら、そこですかさず、
    「お礼というわけではないのですが、ぜひお食事をご一緒したい。
    これは社長命令なんです。助けると思っておねがいします」
    とか何とか言って、木蘭さんを誘い出しますね。

    で、またまたトップスに誘ってカレーを食べたりして。
    ケチ(笑)。

    とてもいいお話でした。
    木蘭さんの正直でまっすぐな性格がよく表れています。
    ボクだったら、(なんだ木っ端か)とポイしてしまうだろうな。

    うちの団地内も落ち葉の季節。樹木が多いから、掃除のおばちゃんたち
    も大変です。木蘭さんもがんばってね。

    朝げたくほどは 夜のまに吹きよする 落ち葉や風のなさけなるらむ

    貞心尼の歌です。良寛の「たくほどは風がもてくる落葉かな」という句
    を引いているんですね。どちらもいい歌です。

    今年もとうとう師走を迎えてしまいました。
    人生は死ぬときまでの暇つぶし、と師匠は言いましたが、
    中身のある暇つぶしはできなかったような気がします。

    ただべんべんと生き長らえるだけですが、
    木蘭さんという話し相手ができて、
    ボクの暇つぶしにもちょっとばかり〝高級感〟が出てきました(笑)。
    少し早いけど、来年もよろしく。




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    1. しまふくろうさま、こんばんは。
      お仕事お疲れさまでした。(*^^*)

      まあ。
      上手に誘い出されますこと。

      トップスのカレーなら、ついていくかもしれません。(笑)


      そちらは緑の多いところとうかがっておりますから、
      確かに枯葉を掃除される方々は大変だと思います。

      私はいつも一人で掃き掃除しておりますが、
      たまに檀家さんがお手伝いに来て下さいますので、
      お話しながら楽しいお掃除ともなります。(*^^*)

      だから頑張れます。


      とても素敵な歌ですね。
      自然に対する温かなまなざしが感じられます。


      しまふくろうさまは「尼僧」という毛色の変わったモノと出会ったので、
      「高級感がある」と勘違いされているのでしょう~。(笑)

      でも、もうすでに「木蘭=凡人」ということがお分かりになっていらっしゃるはずですけれどもね。(笑)


      私のほうこそ、たくさん学ばせて頂きありがとうございました。

      来年もどうぞよろしくお願い致します。(*^^*)




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