2013年10月17日木曜日

月にウサギがいるわけは・・・

今夜は十三夜。
少し雲が出ていますが、
なんとかお月様を見る事ができました。
煌々と地上を照らす月明かり。
何度見ても、お月様にはウサギさんの影が見えますね。
昔から「月にはうさぎがいる」といわれてきました。
それにはいわれがあります。

中国の小説「西遊記」で有名な~三蔵法師。
そう。
経典を持ち帰るために孫悟空たちと印度にわたる旅をするというお話の中に出てくるお坊さんです。
実際に存在した中国のお坊さんで、玄奘三蔵と言います。

その玄奘三蔵が十七年間の印度への旅を記したものが「大唐西域記」と言います。(西遊記はこれがもととして作られたと言われています)
その中に「行者とウサギ」というお話があります。



昔、豊かに茂る林野に、
狐と猿とウサギが仲良く暮らしておりました。

ある日そこへ、老人に身を変えた帝釈が来て、

「自分が年をとっているという事も忘れ、このような遠方まできてしまった。
お腹が空いて今にも飢え死にしそうだ。
何か食べるものが欲しい」


 
そのように三匹に食べるものを乞いました。


三匹はそれぞれ食料を求めて走り、
狐は新鮮な鮭を
猿は果物をとってきましたが、
ウサギだけは何も持ってくる事ができませんでした。

ウサギは狐と猿にたきぎを持ってきてくれるように頼みました。

そして、
「私は何も食べる物を持ってくる事ができませんでした。
ですからどうかおじいさん、私を食べて下さい」

そう言うやいなや、ウサギは燃えさかる火の中に飛び込んでしまったのです。


老人は即座に帝釈の身に戻り、
燃え残りを除き、亡骸を収めて、
ウサギの尊い心を感じてこれを月輪に寄せて後世に伝えたと書かれているそうです。


悲しく切ないお話

まぁるいお月様を見上げる時、
そこにはいつもウサギの尊い心を感じます。





 

2 件のコメント:

  1. 木蘭様

    悲しくも素敵な話ですね。シマフクロウでございます。

    ボクは謡曲「鉢の木」の話を思い出しました。
    いざ、鎌倉の有名な話です。

    犠牲的精神というやつは、いつだって人の心を揺さぶります。
    つい最近も、踏切内で動けなくなっていた老人を助けようと、
    40代の主婦が身を投げ打って助け出し、自らは轢死してしまいました。
    痛ましい事故でした。

    ボクに果たしてその勇気があるかどうか……
    それにしても、200メートルの距離があっても急ブレーキは
    間に合わないんですね。いったい何メートルあれば止まれるんでしょう。
    なぜか無性に腹が立ってます。

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  2. しまふくろうさま、おはようございます。(*^^*)

    鉢の木も素敵なお話ですね。
    「質素だけれど精一杯のもてなしをする」ということで、
    これを飲食店名にする人もあるそうです。

    あの踏切の事故は本当に痛ましいものでした・・・。

    人は意識がないと、かなり重いものです。
    男性の力でもたいへんだったと思います。

    自分がはねられるその時まで、
    必死に老人を助けようとしたその女性は、まさしく菩薩だと思いました。

    電車の急ブレーキは難しいものなのかもしれませんね。

    いきなり止まると危ないと乗客の安全が考えられている構造かもしれませんし、
    車両の重さからもなかなか止まらないのかもしれません。

    私にはそうした知識がないのでよくわかりませんが、
    前にも踏切内で同じような事故がありましたし、
    どうにか対策を講じて欲しいものですね。

    もうあのような悲しい事故が無くなりますように・・・。




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