2014年1月9日木曜日

赤い花


今日はまだ明るいうちにお風呂に入りました。

うちのお風呂からは裏庭が見えます。
春夏秋冬、様々な姿を見せる木々。

今の季節、常緑樹の葉は少し色あせて見えます。
常緑樹だけではなく、
冬景色はなんともはっきりしない色合いになってしまうものなのです。

そんな中、
山茶花やツバキの花は、見事なほど美しい色合いで咲いています。

すべてがセピア色なのに、そこだけが鮮やかな「赤」。

「綺麗だな・・・」

いつものように何気なく眺めていた時、
ふと岩手の知り合いのおばあさんのことを思い出しました。

おばあさんは私の師匠の親戚筋にあたります。

沢内という、日本でも指折りの豪雪地帯に住んでいらっしゃいます。

どれだけ雪が多いかといいますと、
一昔前、学校に行く子供たちは電線をまたいで行ったそうです。

今はそこまで積もらなくなったそうですが。


数年前、植木屋さんをしているうちの檀家さんが、
「おばあさんちに何か植木を送ってあげたいんだけど、
どんなのがいい?」と電話で聞きました。

おばあさんは電話口でちょっと考えたあと、

「冬に咲く花がいい」と答えたそうです。

そこで「何色の花がいい?」と聞くと、すかさず、

「赤」

と答えたのです。

「冬、周りは雪で真っ白だから、白い花は嫌だ。
赤い花がいい」と。


千葉ではたまにしか雪は降りません。

それでもこの季節はすべてがセピア色に感じる。
その中で咲く赤い花は、とても美しく見えます。

真っ白な世界に身を置くおばあさんは、
冬にこちらに来た時、
「冬でも土が見えるんだね」とうらやましそうでした。


赤い花が咲く植木を送ってもらったおばあさんは、
冬になっての楽しみを得たようです。


おばあさん、お元気かな・・・

赤い花、今年も咲いているのかな・・・





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